
001.
ヤマモモ
Myrica rubra ヤマモモ目ヤマモモ科
房総半島〜フィリピン、朝鮮半島、中国、照葉樹林帯
山地でも見られますが特に沿岸を好みます。
25mになる常緑高木で、漢字では「楊梅」と書きます。
根に放線菌を共生させる菌根を作るので、痩せた土地にも自生するそうです。
雌雄異株で4月頃に目立たない風媒花をつけます。
緑化植物として好んで植栽されます。
気候が合うのかうちの近所の公園や街路樹によく植えられてます。
雄株はどうってことはないただの木なんですが、
雌ともなると、梅雨の頃に大量に実をつけ、地面に大量に落とすので植える場所には気をつけた方が良さそうです。
イチョウよりかはましでしょうけど。
画像の実も近所の公園から一枝失敬してきたものです。
味は、若干ヤニ臭さがありますが、甘酸っぱくてとても美味しいものです。
これは、輸送中に潰れやすく扱いが面倒なためと思われます。
日持ち自体は悪くないんですけどね。
尖晶石ノート ヤマモモの花
毎年、某筋からヤマモモをたくさんいただくのですが、
食べきれないのでジャムを作っています。
いただくのは栽培品種で、公園でなっているもの(1.5cmほど)よりも二まわりほど大きいです(2〜2.5cmほど)。
ですが、味は公園でなっているものの方が美味しいんですよね。
ジャムの作り方にはちょっと一工夫がいるので書いてみたいと思います。

002.
これで、1kgです。合計2kg使いました。
洗う前に量っておきます。
多少熟しきっていないものが混ざっていても構いません。

003.
一度湯がきます。
これは、細かいごみを取るためと、独特のやに臭さを軽減させるためです。

004.
ざるにあけてざっと水を切り、30%の砂糖(グラニュー糖がお勧めです)の内の約半分を加えて中火で煮詰めます。
かなり時間がかかりますが、気長に木べらなどで実を潰しながらかき混ぜます。
使う鍋は本当はほうろうや土鍋がいいです。

005.
ヤマモモでジャムを作るときに一番厄介なのが種です。
種のまわりからなかなか実がはがれません。
裏ごしする方法もありますが、適度に煮詰まったところで別鍋に種を拾い出して水を適量加えて種のまわりをこそぎながら煮ます。
こうするとある程度ははがせますから、再び種だけ取り除いて元の鍋に加えます。
残りの砂糖を加えてさらに煮詰めます。

006.
木ベらで鍋底をかくと一瞬底が見えるくらいのとろみがついたら火を止めます。
仕上がりの見極め方には他にも、温度計で測ったり、へらからしたたる加減とか、コップの水にたらして溶け方を見たりと、いろいろなチェック方があります。

007.
小ビンに移して、布巾などで口の周りをふき取り、ゆる〜くふたをして蒸し器で30分ほど蒸します。
お馴染みの脱気です。
火を止めたらすぐ布巾などでつかんでふたをちゃんと閉めなおします。
乾いたものを2枚使って両手で閉めるといいです。
参照:2005 キノコ狩り

008.
2kgから170g用の小ビンに6本作れました。

009.
酸味が結構ありますので未熟が混ざっているときはレモン汁等は加えない方がいいです。

010.
ジャムを作った後のちょっとしたお楽しみなんですが、
鍋を洗う前に先ほど取り除いた種と水を適量加え、鍋の縁や木べらに付いたジャムを落としながら一煮立ちさせます。
粗熱を取ったら濾して、氷などを入れると美味しいジュースができます。
ヤマモモはそのまま生でも美味しいですし、熟しきってないものはジャムのほかに果実酒に漬けても結構いけますよ。
009.以外 D70s+TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di
009. PowerShot G6
003〜007. ストロボ使用
投稿 2007/07/08
更新 2008/01/06 ほたる石画帖から移動