2005/09/17 キノコ狩り 2/2

 
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012.
一人分の割り当てですが、
いつもの半分から2/3くらいしか採れませんでした。

長年同じ所に通っていると大体あそこに行けばあれが採れるといったことがわかってきます。
今回は久しぶりに新しいところを開拓しようといつもと違うところへ噂だけを頼りに行ってみました。

初めてのところでなかなか深くまで踏み入るのも躊躇われますから
浅いところを様子を見ながら探るのですが、
大体そういうところは採り尽くされており
そうそう芳しい成果は得られません。

たくさん採れるときはあまり移動する間もなく座り込む作業の方が多いのですが、
逆に採れないときは立ち止まることよりも歩いている時間の方が長くなるのですごく疲れます。


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013.
サクラシメジ ヌメリガサ科

葡萄酒色のかすりの入った綺麗なキノコです。
苦味があるのですが、旨味もそれ以上に有るのでそんなに気になりません。
特に芋などと甘辛く煮付けると苦味が消えてかなり美味しいです。


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014.
ホンシメジ キシメジ科

確かに美味しいです。
しかし味にコクがあるというよりはさっぱりした上品な旨味があります。
濃い味付けの料理にすると台無しで、
茶碗蒸しや白身魚のホイル蒸しなどにして楽しんでいます。


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015.
ナラタケ キシメジ科

変異が多く、画像左のは黄色みを帯びたタイプで、
右のは赤味が強いタイプです。
大きさや形も様々です。

最も地方名の多いキノコだそうです。
つまり、それだけ太古から日本人に親しまれてきたということです。
ホンシメジよりも味がしっかりしていて
濃い味付けにも向きます。

ナラタケというキノコはとても奥深い性質の持ち主で、
語りだすときりが無いほどの様々な顔を持っています。

一つ二つ紹介しましょう。
針葉樹や広葉樹を問わず、また、深山から庭先までどこにでも生え、
一度にたくさん採れることも多いので地方によって大変人気があります。
富○山でもナラタケの生えそうな木の伐採後に止まっている車は
大抵が○模ナンバーです。
この地方ではアシナガと呼ばれて親しまれてます。

しかしこのキノコ、食べる人の体質によってはお腹を下しやすいようです。
たくさん採れたからといって、また美味しいからといって一度に貪るのは避けた方がよさそうです。

ラン科のうち、葉緑素を持たずに光合成をしないものを腐生ランといいます。
ラン科の植物はいずれも根に糸状菌を共生させてそれを消化しながら栄養を補って生活しているのですが、
腐生ランは完全に菌に頼って生きています。
共生というよりむしろ菌に寄生していると言った方がいいかもしれません。

腐生ランのうち、オニノヤガラとツチアケビがナラタケと共生関係にあります。
ナラタケを誘引する物質を使って菌糸を取り込んでいるようです。

参照:かぼちゃさんのブログでオニノヤガラとツチアケビが見られます。
オニノヤガラの花ツチアケビの花ツチアケビの果実

これらなどはナラタケの数ある顔のほんの一部に過ぎません。
続きはまた機会がありましたら。


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016.
タマゴタケ テングタケ科

テングタケ科には毒キノコが特に多いです。
それには致死率の高いものもいくつか含まれます。

今ほど毒キノコに関する情報が普及していなかった頃は
タマゴタケを食べる人は極少数だったそうです。
派手な色=危険色という観念をキノコに当てはめているせいだと思います。

しかし、キノコに関しては色と毒の有無に関連性は低いです。
実際中毒が報告される件数の多い毒キノコの上位を見ると
いずれも地味で一見安心感を与えるものばかりなのが現状です。

キノコに中たらないためには個々の毒キノコを一つずつ憶えるか
知っているキノコ以外に決して手を出さない以外に方法は無いのです。
キノコの研究者たちはこの事実の啓蒙に努めました。
そのお陰もあって、今ではタマゴタケは結構人気のあるキノコとなっています。

タマゴタケは若干味に癖がありますが
旨味も濃く食感もいいので濃い味付けに合います。
いつもクリームシチューやグラタンなどに入れて楽しんでいます。


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017.
カワムラフウセンタケ フウセンタケ科

幼菌の傘と柄の間に菌糸の膜ができるのが特徴で、
これを風船(それもアドバルーン?)に見立てています。

この仲間には味に癖があるものも多いのですが、
カワムラフウセンタケは美味しい方に部類されます。


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018.
ハナイグチ イグチ科

これも人気があって地方名が多く、特に信州・甲州ではベタ惚れされてます。
このキノコだけを専門に採って卸してるプロもいるぐらいです。

ナメコのようにぬめりがあって、食感と味にもすぐれています。
今回は一本しか採れませんでした。


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019.
アケボノアワタケ イグチ科

画像からは伝わらないと思いますが、
品があってどことなく美しいキノコです。
味もかなりいい方です。


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020.
カワリハツ ベニタケ科

個体によって色が様々なことが特徴です。
紫に緑を混ぜたような色の物が多いです。

たくさんは採れませんが味はそこそこいいです。


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021.
キハツダケ(左) ベニタケ科
キカラハツモドキ(右) ベニタケ科

どちらもそっくりなキノコで、
持って帰って見比べるまで違いに気づきませんでした。

キハツダケは大好きなキノコで見つけると内心ホクホクしてしまいます。
今回はこの一本しか採れませんでした。
キカラハツモドキは舐めると舌をぴりぴり刺激するような辛味があって食べられません。

両者の違いは、
キハツダケは傷つけると白い乳液を分泌し、やがて青緑色に変色します。
熱を加えるとこの色は消えてしまいます。
キカラハツモドキは同じく白い乳液を出しますが、変色することはありません。

キカラハツ・モドキというぐらいですから本家のキカラハツがあるはずです。
キカラハツは白い乳液を出した後、黄色く変色します。
キ・カラハツというぐらいですからカラハツもあるはずです。
カラハツは赤茶色で毛深いキノコですが、名の通り強い辛味があります。
カラ・ハツのハツはハツタケのハツです。
やはり赤茶色で傷つけるとわずかに赤い汁を出し、
青緑に変色します。おいしいキノコで人気があります。

2008/10/08追記
ややこしいことにカラハツモドキというキノコもあるそうです(Google)。
ひょっとしたら、キ・カラハツモドキと区切るのかもしれません。




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022.
アカモミタケ ベニタケ科

色や食感を嫌って採らない人もいるみたいですが、
私は大好きなのでたくさん採れるとうれしいキノコです。
味的にはキハツダケの方がちょっとだけ上かな?
毎年もっとたくさん採るんですがこればかりは仕方がない。

ベニタケの仲間は他の傘を持つキノコと大きく違う性質があります。
普通、キノコは菌糸の繊維で出来ていますが、
ベニタケ類は球状の細胞でできています。
したがって、手で裂くことができません。

このことは食べた時の食感にもあらわれます。
よくぼそぼそした歯触りと表現されますが、
人によってはこれが苦手なこともあるようです。

私は割と平気な方なんですが、
それでも料理の仕方にコツがあると思います。
例えば、味噌汁や煮込みうどん、炊き込み御飯のように
薄味で茹でてしまうと味が抜けてしまい、
ぼそぼその抜け殻を食べるはめになります。

私のお気に入りの食べ方は、素揚げや天ぷら、
炒め物などの油っこい料理。
シチューなど味の濃い油っぽい料理には逆にはっきりした食感が活きるような気がしてよく入れてます。
刻んでしょうゆ、みりんで手早く炒りつけ、
炊き上がったご飯に混ぜるキノコご飯も絶品です。


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023.
カノシタ ハリタケ科

傘の裏がひだにならずに、針がぶら下がるように生えていて、
ここに胞子を生じます。

ここまでヌメリガサ科からベニタケ科まではハラタケ目
ハリタケ科、イボタケ科はサルノコシカケ科と同じヒダナシタケ目に分類されます。

カノシタを漢字で書くと「鹿之舌」針の様子がシカの舌と似ているからだそうです。

食感がやや硬く、味的にはまあまあといったところです。


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024.
クロカワ イボタケ科

こちらは傘の裏に管孔があいています。
足が短いので枯葉の下に隠れていることが多く見逃しやすいです。
しかし一度見つけるとそのまわりに群れになって生えていることが多く、
型も比較的大きいので結構な収穫になることもあります。

味は苦味があるので苦手な人もいるようですが、
旨味も強いので気にしなければ美味しいキノコです。

苦味がある上に茹でると煮汁に黒い色が溶け出してしまうので、
他の素材と取り合わせて料理するのが難しいです。
単品で甘酢に漬けて酢の物にしてよく食べてます。
また、元々味と色の濃いカレーなどにいれてもいけます。


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025.
単品で写真に撮らなかったものもここで解説します。

シロヌメリイグチ イグチ科

林の中よりも、林道の脇のようなところでよく採れます。
灰色の汚らしいキノコで、見た目の悪さから人気がありません。
しかし、実は結構美味しいキノコです。
つるんとした食感で、風味もそこそこあります。
ただ、柔らかいキノコなので持ちが悪く、
若めのところを採って帰って素早く料理した方がいいです。

ヤマイグチ イグチ科

割としっかりしたキノコなんですが、
なぜか風味に乏しく、ヤマイグチには悪いですがちょっとつまらない味のキノコです。

この他にもスミゾメシメジなどがちょっと採れた程度でした。
また来年に期待しましょう。


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026.
さて、採ってきたキノコをどうするかですが、
まず、種類ごとに分けてから、
その日に食べてしまうもの、数日以内に食べ切るために生で保存するもの、長期保存するものに分けます。
生で保存するものは質が硬くて腐りにくく、若くてあまり虫がついていないものです。

その他のものは瓶詰めしています。
ビンに入りきらなかった分は冷凍しています。


瓶詰めのやり方ですが、根元の石突を取り除き、
洗ってひだの間にはさまっている砂利を洗い流します。
大きいものは縦に裂くか切って、虫の入り具合を確認します。
虫の入った部分は大雑把に削り取りますが、すべては取り除けません。
ビンを開けて料理する前にもう一度取り除いてます。

鍋に少量の水と塩を入れてキノコを柔らかくなる程度に炒りつけます。
茹でてしまった方が手っ取り早いんですが、
それでは旨味が流れ出てしまうので今はやってません。
その後小さなビンに詰めて鍋に入れ、
ビンが半分浸かる程度の水で30分ほど煮ます。

するとキノコの組織の間に詰まっていた空気がどんどん抜けていきます。
頃合を見計らって水気の少ないビンにお湯を少し足して菜箸などで中の空気を抜きます。
蓋を被せてゆる〜く閉め、鍋の蓋をしてさらに30分ほど煮ます。

この間何が起こっているかというと、ビンの中が沸騰して上部に水蒸気が充満します。
この段階でビンの内部の空気はほとんど水蒸気に置き換えられてしまってます。
そして、火を止めたら間髪入れずに布巾などでビンをつかんで蓋をきっちり閉めてしまいます。

そして、そのまま鍋の中でゆっくり冷まします。
すると、水蒸気が水に戻ることによって空いている空間がほぼ真空の状態になり、
腐敗と酸化から逃れられるわけです。

こうして一年ぐらいはキノコを楽しむことができます。
しかし、すべてうまくいくわけじゃなく、年に何本かは失敗して腐らせてしまいます。
それでもこの方法がベストの保存法だと思っています。


他にもいくつか紹介しましょう。

・塩漬け
伝統的な保存法です。
手間がかからず大量に保存したい時に向いています。

ただ、難点は塩抜きをするときに旨味も一緒に捨てなくてはいけないことです。
逆に元々味に癖のあるキノコには持って来いの方法です。


・乾燥
干し椎茸同様、柄をビニール紐などで結わいて風通しの良い場所に吊しておけば簡単にできます。
ざるなどを使ってもいいでしょう。

キノコ類は乾燥させることで旨味が増し、ビタミンD2が増えることが知られてます。

ただ、難点は元のキノコの風味とは別物になってしまうことと、
それにキクラゲのようにまったく元の状態に戻せるキノコが少ないことです。
料理に使う時はいちいち戻さなくてはいけませんし、
料理法も限られてしまいます。


・冷凍
今はこれが一番手軽でポピュラーかもしれません。

ただ、難点はやはり解凍するときに旨味が流れ出してしまい、
食感も元通りとは言えません。
あまり長期間だと冷凍庫独特の臭いが移ってしまうのも難です。


結局、辿り着いたのが瓶詰めです。
手間もかかりますし、失敗するリスクもありますが、
食感と風味は一番忠実に残せる方法だと思ってます。


最後にもう一つ、
瓶詰めのように炒りつけた後、
ビンに詰め、ひたひたに調味酢を注いでから
さらにオリーブオイルを満たし、
蓋をして保存する酢漬けがあります。

ヨーロッパやロシアで使われるやり方で、
調味酢はピクルスやマリネと同じように
塩とハーブや香辛料で風味付けします。

一度試したことがありますが結構美味しかったです。
どの位持つかはわかりません。


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027.
アカモミタケのキノコご飯

作り方はアカモミタケ参照







撮影はすべてPowerShot G6


投稿 2005/09/25
更新 2006/09/25 ナラタケ記事へのリンク
    TB:かぼちゃの散歩路 野花たち
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    2007/09/28 画像を1枚差し替え、リンクを追加
    2007/12/07 ほたる石画帖から移動
    2008/01/07 記事を分割
    2008/10/08 追記



エノキタケ

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エノキタケ Flammulina velutipes
キシメジ科エノキタケ属

初詣ついでに近所を散歩をしていて、公園にあった切り株から生えているのを見つけたものです。

野生のエノキタケを知らない方はちょっと驚かれると思います。
青果売り場で見かけるエノキタケは、根元に筒を巻いて無理やり茎を伸ばしたものです。
また、エノキタケは光に敏感で、光を遮断すると白いモヤシ状に育ちます。

野生のエノキタケは茎がちょっと硬いのですが、軟白して育てることで茎まで柔らかく食べられるわけです。

エノキタケは、野生では通常晩秋から早春にかけて生えるキノコです。
冬に湿り気の多い林に入るとよく見かけます。


2004/01/02 採集


尖晶石ノート 2009/03/07 道保川公園










COOLPIX990



更新 2009/08/02



 
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